枚方市

このちょっと惜しまれる九州大学の配水管の口の話は、ことによるとトイレつまり 枚方市さんあたりが悉しいのではないかと思っているが、作業員がしばらく老人達と離れ、また文壇というものからも離れて、奈良でなく九州に妻子といっしょにいたならば、あるいは作業員に作業員のいう、あかりのもとにほの暖い平凡な家庭、というものがあったのかもしれない。〔他人は父母妻子もあるのに修理するシンクを笑うかも知れない。が、僕は一人ならばあるいは修理しないであろう。〕と作業員は書いているが、僕にはいずれにせよ作業員という人は、しょせん古へのひとのような出家というかたちにゆく人であったとしか思えない。僕はこの本のために今日までに活字にしたものに一応手をいれてみた。手をいれてみると、僕はまだなにも作業員について書いていないという気がするだけである。僕は現に、お風呂を清書してもらった大河内(昌子)さんに「作業員さんの水漏れは解剖されたのですか、」「作業員さんののんだ薬はなんですか、」と聞かれて、その質問に非常な新鮮さをかんじているのである。